Ako Suzuki

上智大学外国語学部フランス語学科

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オンライン・ポスターセッション(非会員であっても、本学会の会員の推薦があった場合には 発表できます) Xジェンダーの相互行為と「指定された性別」への葛藤―FTXの語りをインサイダーとして見る―(仮) more

Sun, Nov 28, 12:30-14:20 Asia/Tokyo

日本社会において、「らしさ規範」 (山田2016)から逃れることは不可能だろう。そんな中、Xジェンダー と日本では呼ばれる性別二元論に当てはまらない性自認の若者が増えていると経験上感じている。そのため、本研究では、FTX (Female to X)という指定された性(assigned gender)が女性で、性自認が性別二元論に当てはまらない3人(年齢:20代前半)のライフストーリーの聞き取り調査を実施し、インタビュー内容を分析した。その結果、以下の2点が明らかになった。  まず、ゴフマンの「役割距離」と「自己呈示」を通して、かれら が性別二元論から逸脱した結果、新たな自己の「らしさ規範」を作り出すことで、今まで相互行為を行い性別二元論が根強い日本社会を存続してきた事が分析できたこと。2点目は、「指定された性別」が女性への社会的抑圧は、性別二元論の再起経験となると同時にそれに対するかれらの葛藤が明らかになった点である。  本研究では、以上の2点を私自身もnonbinaryであるという事から、インサイダーとして分析する私自身のポジショニングも重要な視覚としたい。 本研究の重要性は、まだ数少ないXジェンダー研究への貢献と共に、従来ジェンダーバイアスにおける議論の際、性別二元論に対して批判的であるにも関わらず、それを前提に論じられている現状に対し、性別二元論に囚われない視点からも考えていくことが可能になる点であろう。(898字) 【参考文献】 藤田慶子(2004)「ゴッフマン理論における役割と自己呈示―学校における相互行為の分析視角としての検討―」『東京大学大学院教育研究所紀要』44,pp.301-309 山田昌弘(2016)『モテる構造―男と女の社会学』筑摩書房

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