
Jiro Sakai
Tokyo University and Graduate School of Social Welfare (東京福祉大学(教育学部))
About
Hello! I got Ph. D in communication at the University of Oklahoma. Now, I am teaching intercultural communication and multicultural education at Tokyo University of Social Welfare.Sessions
オンライン・プレゼンテーション(研究発表 30分) 外国ルーツの児童生徒の学校での多文化共生成功例の研究の必要性ー外国ルーツの児童生徒の学校での多文化共生についての文献調査ー more
Sat, Nov 27, 14:00-14:30 Asia/Tokyo
日本に在住する外国ルーツを持つ子どもの数は年々増加している。2020年12月の法務省の統計によると、6歳から17歳の在日外国人の数は17万人以上である。さらに、国際結婚の家庭の子どもの数を加えると、さらに多くなる。外国ルーツの子どもを対象とした学校における多文化共生に関する研究はすでに多く実施されているが、彼らの学校における多文化共生についての問題点・課題や具体的支援・解決策を提起するものが多く見受けられる(Gills-Furutaka, 2009; 竹田, 2012; 劉, 2017)。さらに、多くの研究対象は日本語指導を中心とする教育支援やクラスにおける適応支援などが必要な学校における多文化共生に課題がある外国ルーツの児童生徒であると想定される。このことは、外国にルーツを持つ児童生徒の学校での多文化共生の成功事例に関する研究はまだ多くないことを示唆している。しかし実際の研究動向については明らかではない。 そのため本研究は、現存する外国ルーツの子どもを対象とした日本の学校での多文化共生に関する研究動向の概観を文献調査により明らかにし、多文化共生の成功事例研究の位置づけと意義について論ずることを主な目的とする。具体的には、まず外国ルーツの子どもを対象とした学校での多文化共生をテーマとした先行研究を日本語と英語でキーワード検索し関連文献を収集する。次に収集した文献を内容分析により精査し研究内容を分類しその研究動向を探索する。以上の研究動向を基にして本研究では、日本の学校に通う外国ルーツの生徒の学校での多文化共生成功事例研究の今後の必要性や意義について論じる。最後に一つの意義としては、学校での多文化共生に成功している例は他の外国にルーツを持つ児童生徒の模範例ともなり彼らの学校での多文化共生促進の実践的ヒントとして機能するため重要となることを結論として述べる。 参考文献 Amanda Gills-Furutaka (2009) 「Racially Based Bullying in Japanese Schools」『京都産業大学 教職研究紀要』 第4巻、17-40. 劉 麗鳳(2017)「外国にルーツを持つ子どものいじめ経験と教師の指導方法への示唆」 『教育學雑誌』 第54 巻、103-114. 竹田 治美(2012)「外国人児童・生徒の内部葛藤とアイデンティティの模索」『奈良 産業大学紀要』 第28巻、79-89.

