二神真美

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オンライン・プレゼンテーション(実践報告 30分) キャリア選択における21世紀型スキルに関する海外留学のインパクト more

Sat, Nov 27, 15:20-15:50 Asia/Tokyo

本研究は、海外留学が、21世紀型のスキルを身に着けることにいかに貢献し、またそれらが学生のキャリア選択においてどのように影響するかを考察したものである。 留学の効果に関する研究は、学生の英語能力の向上と異文化感受性の発達に寄与している報告も多くなされている(Anderson, et al., 2006; Hernández & Alonso-Marks, 2018; Nishio, Futagami, & Miyazaki, 2018)。留学で得た経験が大学生のキャリアやその後の生活に及ぼす効果について大規模調査を行い測定している研究もある(横田・太田・新見, 2018)。本発表では、Farrugia and Sanger (2017)が行った21世紀型スキルとキャリアに関して留学の効果を検証した論文をもとに、2021年3月卒業の私立大学外国語学部4年生25名に対して実施したアンケートとインタビュー調査の結果を考察する。本学生はアメリカなどへのセメスター留学、または、短期の海外フィールドワークを行った学生である。21世紀型スキルの特徴としては、コミュニケーションスキルや、問題解決力、コンピュータなどのスキルがあげられ、15項目の質問項目に対して、「非常にそう思う」から「まったくそう思わない」の5段階のリカート法で回答させた。質問に対し、「非常に・ややそう思う」という高い評価の項目は次のとおりである。「異文化への適応力」と「新しい経験や学びが増える」は100%の回答であり、「コミュニケーションスキルを伸ばすことができた」は88%、「英語での4技能の伸び」は82%、「問題解決力」に関しては80%である。一方、「コンピュータやソフトを使いこなせる」という項目だけが非常に低く8%であった。留学の経験がキャリア選択や内定先の仕事に生かせるかどうかについての記述やインタビューの回答では、異文化体験や多角的な見方、人間関係の構築など非常にポジティブに影響するとの回答であった。以上のことから、ICTなどのスキルを除き、留学が21世紀型のスキルを伸ばしキャリア選択にも有効に影響していることが明らかにされた。

西尾由里 宮崎新 二神真美