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オンライン・プレゼンテーション(実践報告 30分)
理系と文系の比較から見えるグローバル人材の資質の違い
大学の国際競争力と国際通用性を高めるためのスーパーグローバル大学創成支援事業(SGUs)が2023年で終わろうとしている。東洋大学でもグローバル人材を育成するために様々な取り組みを展開してきた。その成果は、海外留学・インターンシップ、海外アクティビティ、国際関連プログラムなどへの参加、英語能力、外国語による授業科目の履修から数値で示され、異文化理解といった可視化することが難しい学生のコンピテンシーは、海外留学・研修に参加する学生に限りIntercultural Development Inventory (IDI)で測ってきた。しかし、学生全体のグローバル人材の資質の程度を把握することはできずにいた。そのため国際教育センターは、2020年の秋学期に全学部・全学年に提供している授業、「留学のすすめ」を履修した学生を対象にBelief, Event, and Value Inventory (BEVI)を試験的に実施した。本授業はオンラインによるライブ授業である。 学生にBEVIを学期の開始時と終了時の2回受けてもらい、その1学期間でどのような変化があったのかを調査した。まとまった時間を異文化環境で過ごす海外留学・研修による成果を測る場合とは異なり、この調査から得られる結果は、学生が秋学期間で経験したコロナ禍における生活環境、経済状況、教育環境など全てを反映したコンピテンシーの変化である。 BEVIでは7つの領域の中に含まれる17の尺度から潜在意識の深いコンピテンシーを測り、学生の心理的特性を客観的に明らかにするのだが、本授業を履修した学生のグローバル人材の資質を理系と文系に分けて比較すると、これまで肌感覚で感じていた理系と文系の学生の違いが明瞭に示された。さらに男女別、BEVIが分けたコンピテンシーの低中高のクラスターで比較すると、理系と文系の学生の心理的特性と成長の違いが明らかになった。また、コロナ禍で授業のスタイルが対面から非対面になり、海外留学・研修への参加が困難になった今日の現状において、学生の心理的特性を測ることができたのは有意義であり、また、理系と文系の学生の強みと弱みを客観的指標で捉えることは、今後、各学部の特性を活かしたグローバル人材育成推進教育プログラムの設計が可能となる。
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Associate Professor, Deputy Director Center for Global Education and Exchange Dealing with education for global human resources, exchange programs, and intercultural competence