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オンライン・プレゼンテーション(研究発表 30分)

コラボレイティヴスタディ(協働学習)を通して民主的な文化への能力を育てる英語授業デザイン ―多角的な視点で絵本の原作と翻訳を比較するー

Sat, Nov 27, 08:30-09:00 Asia/Tokyo Room B (Saturday)

学生同士の協働学習(コラボレイティヴスタディ)により絵本の原作と翻訳の比較を行う英語の授業を通して、多様な気づきを促し、民主的な文化への能力(Reference Framework of Competences for Democratic Culture: RFCDC)を表出させる授業デザインの構築について、発表する。対象は、関東にある国立大学教育学部初等教育理科専攻1年生31名である。 授業で使用したワークシートとグループディスカッションの録音をもとにデータを収集し、RFCDC に該当するどのような発言や記述があるかを、授業者である筆者と授業に同席した同じサブプログラム在籍の院生3名とで多角的な視点を取り入れて分析した。実践は、2021年6月に対面で2回行った。学生は、 Little blue and little yellow 、Rainbowfish to the Rescueと、それぞれの翻訳「あおくんときいろちゃん」「にじいろのさかな、しましまをたすける」について、自分の訳と翻訳者(藤田圭雄・谷川俊太郎)の訳を比較し、その違いの背景にあるそれぞれの経験や価値観について考え、グループで意見交換をした。筆者は協働学習を通して多様な価値観に触れさせ、自分の意見を再構築する活動を促した。またSwimmyと翻訳「スイミー 」については「表紙を選ぶならどこにするか」「それを選んだ理由とその背景にある自分の経験や価値観」、また原作と各国の翻訳版の表紙を比較し、「なぜ、国によって表紙やタイトルが異なるのか、その文化的背景は何か」についてグループで話し合わせることで、多様性への気づきを促した。 学生は翻訳者と自分の背景や価値観を比較するなかで、文化的多様性への気づきを得た。また学校教育の影響を分析し、教育の果たす責任などについての批判的思考が見られた。グループやクラスでの取り組みを通して、文化の異なりに対する寛大さと尊重、傾聴、共感、協調のスキルが観察された。今後は、RFCDCの分析結果をもとに、さらなるケースステディを検討している。

  • Maki IMAI

    I am a graduate student at Tokyo Gakugei University. I am also an English teacher at a private elementary school.