Sessions / オンライン・プレゼンテーション(研究発表 30分)

コラボレイティヴスタディ(協働学習)を通して民主的な文化への能力を育てる英語授業デザイン ―多角的な視点で絵本の原作と翻訳を比較するー #1852

Sat, Nov 27, 08:30-09:00 Asia/Tokyo | LOCATION: Room B (Saturday)

学生同士の協働学習(コラボレイティヴスタディ)により絵本の原作と翻訳の比較を行う英語の授業を通して、多様な気づきを促し、民主的な文化への能力(Reference Framework of Competences for Democratic Culture: RFCDC)を表出させる授業デザインの構築について、発表する。対象は、関東にある国立大学教育学部初等教育理科専攻1年生31名である。 授業で使用したワークシートとグループディスカッションの録音をもとにデータを収集し、RFCDC に該当するどのような発言や記述があるかを、授業者である筆者と授業に同席した同じサブプログラム在籍の院生3名とで多角的な視点を取り入れて分析した。実践は、2021年6月に対面で2回行った。学生は、 Little blue and little yellow 、Rainbowfish to the Rescueと、それぞれの翻訳「あおくんときいろちゃん」「にじいろのさかな、しましまをたすける」について、自分の訳と翻訳者(藤田圭雄・谷川俊太郎)の訳を比較し、その違いの背景にあるそれぞれの経験や価値観について考え、グループで意見交換をした。筆者は協働学習を通して多様な価値観に触れさせ、自分の意見を再構築する活動を促した。またSwimmyと翻訳「スイミー 」については「表紙を選ぶならどこにするか」「それを選んだ理由とその背景にある自分の経験や価値観」、また原作と各国の翻訳版の表紙を比較し、「なぜ、国によって表紙やタイトルが異なるのか、その文化的背景は何か」についてグループで話し合わせることで、多様性への気づきを促した。 学生は翻訳者と自分の背景や価値観を比較するなかで、文化的多様性への気づきを得た。また学校教育の影響を分析し、教育の果たす責任などについての批判的思考が見られた。グループやクラスでの取り組みを通して、文化の異なりに対する寛大さと尊重、傾聴、共感、協調のスキルが観察された。今後は、RFCDCの分析結果をもとに、さらなるケースステディを検討している。

FREPA/CARAPを援用した自己評価調査からみえてくるもの-教育的示唆と実践- #1883

Sat, Nov 27, 09:50-10:20 Asia/Tokyo | LOCATION: Room B (Saturday)

国や地域という境界を越えて世界的に物資、資本、人材、情報が行き来する「グローバル社会」、異なる国籍や民族の人々が互いの違いを認め合い、対等な関係を築きながら共に暮らす「多文化共生社会」が現代社会のキーワードとなって久しい。グローバル化が進展し異文化接触の機会が増大する中、言語能力に加え、文化的な能力が重視されている。この能力は、Byram (1997)やDeardorff (2006)のモデルをはじめとして、多様な用語、定義、概念を用いて論じられてきた。複言語・複文化主義を理念とする「欧州言語共通参照枠」の増補版(CEFR 2020)では、複文化レパートリー(pluricultural repertoire)の尺度が新設され、能力記述子23項目が追補された。その詳細な分類や記述については、CEFRを補完するものとして「言語と文化の多元的アプローチのための参照枠(FREPA/CARAP)」を参照するようにとの指示がある(CEFR 2020, p. 31, p. 124)。さらに、総項目数が数百にものぼるFREPA/CARAPから、日本の状況に合わせた異文化間能力指標として29項目からなる能力記述文を提示した松本(2012, 2013)の試みは、日本の教育現場における利活用の点から注目に値するものである。本発表では、松本(2012,2013)の知識、態度、思考スキルの3つのカテゴリーからなる29項目のリストを援用したアンケート調査の分析結果を報告する。調査対象は、「豊富な異文化体験や学びを通じ、国際感覚を養う」ことを目標とする学科の入学生(3年度分193名)である。7件法による自己評価の得点平均が低かった項目から得られる示唆を、同学科のカリキュラムや授業内容の見直しに活用することをねらいとする。とくに、29項目中26位の「下位文化の存在と複数の下位文化への所属(知識)」と27位の「自言語・自文化の客観的説明、異文化に対する客観的な意見の表明(スキル)」の2項目に着目し、それらの要素を授業に組み込むための実践例や案を提示するとともに、調査結果から得られる示唆について論じる。

国際交流プログラムにおいて「交流を通じた学び」を確実とする教育手法の検討  ー東南アジア、南アジアにおける大学生国際協働プロジェクトを事例としてー #1828

Sat, Nov 27, 10:30-11:00 Asia/Tokyo | LOCATION: Room B (Saturday)

 学生を対象とする国際交流プログラムは、「交流を通じた学び」の観点で一貫性を保ちつつも、時代の流れ、とりわけその時々の教育の状況に応じて柔軟に変化していく必要がある。  1980年以降の日本の教育の変遷を例にとれば、1980年代は主に高等教育機関において教育の国際化が本格化し、外国人留学生の受け入れを強化した。グローバル化社会に突入した2000年代は、国際競争に勝てるグローバル人材育成に注力し、留学者数を増やすための施策が活発化した。しかし、在留外国人数が約288万人となった今日においては、かつて日本を超えて「ソト」に出ていく者に求められたグローバル人材としての資質が、「ウチなる国際化」に対応するため日本に暮らすすべての市民に必要とされるものとなった。  発表者が所属する団体は、主に「異文化理解力、異文化コミュニケーション力」を着目点としてネパール、ベトナムを始めとした東南アジア、南アジアにおいて2008 年以来様々な形態の国際交流プログラムを試みてきた。時代の変化に応じてプログラム内容を変容させてきたが、その活動の根幹には、常に「多様な他者との交流を通じて世界の諸問題に取り組む」という観点があり、団体独自の教育手法に基づいてプログラム構築がなされていた。具体的には以下の六段階プロセスモデルである。 1 .他者に対する考え方の構築 2 .諸問題についての知識の習得 3. 問題解決へのアプローチ法の理解 4. 問題への認識,意見,対応策の考察 5. 他文化社会での他者との交流実践 6. 交流活動の振り返り  我々が取り入れてきたこの教育手法は、異文化コミュニケーションスキルや、地球市民として備えるべき様々なスキルを養成する上で多大な効果を発揮してきた。その一方で、我が国を取り巻く状況はこの10数年で大きく変化しており、教育手法を改善する時期を向かえている。  そこで本発表では、関&大瀬(2019,2020)において考察した国際交流プログラムを再検証し、時代に変化に即した新たな教育手法を開発に向けた取り組みを共有する。

<参考文献> 関昭典,大瀬朝楓(2020)「多文化共生時代における学生主体国際交流プログラムの考 察」,『東京経済大学人文自然科学論集』,146, pp. 69-99. 関昭典,大瀬朝楓(2021)「コロナ禍におけるオンライン国際学生交流 プログラムの考察」『東京経済大学人文自然科学論集』,148, pp. 113-146.

在日中国人高学歴女性の文化的アイデンディティ: 「自己表示」と「他者帰属」に着目して #1859

Sat, Nov 27, 10:30-11:00 Asia/Tokyo | LOCATION: Room C (Saturday)

 ここ数年、中国人の日本留学ブームと卒業後日本で就職する傾向が強い状況を背景として、日本でホワイトカラーや専門技術職に就く高い学歴を持っている中国人女性はかなりの数に達している。増え続ける中国人に関する研究は多く見られるが、在日中国人高学歴女性のアイデンティティを巡る研究は少ない。  Collier (1998; 2005) は文化的アイデンディティの形成の2つの側面を提示し、他者に見せた自己を「自己表示」 (avowal)、自分の他者に対する認識と他者の自分に対する認識を「他者帰属」 (ascription) と定義している。自己と他者の歴史、社会的地位、文化集団などが異なるため、「自己表示」と「他者帰属」は常に矛盾しており、複数の社会的カテゴリーを持っている人々の文化的アイデンティティの多様性に対する認識の欠如は、当事者の自分に対するハイブリッド性への理解や職場における女性の活躍の可能性に影響をもたらす(Chen & Collier, 2012)。  本研究では、上述したCollierの文化的アイデンティティ理論を用いて、在日中国人高学歴女性の文化的アイデンティティについて考察を行う。彼女たちの「自己表示」と「他者帰属」を明らかにし、それぞれの形成要因も検討する。大卒以上の学歴を持つ日本で働いている中国人女性4名を研究協力者とし、それぞれ2、3回半構造化インタビュー調査(60〜90分)を行い、そこから得られた語りを分析した。  インタビューの語りから、彼女らは「中国人」、「女性」、「〇〇(職業)者」、「キャリアウーマン」、「若者」など様々な自己を見せるが、職場において人員配置や昇進、お客様対応の場合、周りの日本人に「外国人女性」と見なされることが多いと感じていた。「自己表示」は多様であるが、「他者帰属」は限定的であり、「自己表示」が「他者帰属」と一致していないことが分かった。さらに、コンテキストによって同じ「自己表示」に対する当事者の意味づけが変わること、在日中国人高学歴女性の個人としての能力の発揮は限定的に認識された「他者帰属」の影響を受けていることも明らかになった。

参考文献 Collier, M.J. (1998). Researching cultural identity: Reconciling interpretive and post-colonial perspectives. In D.V. Tanno & A. Gonzales (Series Eds.), International and Intercultural Communication Annual: Vol. 21. Communication and identity across cultures (pp. 122-147). Thousand Oaks, CA: Sage. Collier, M.J. (2005). Theorizing cultural identifications: Critical updates and continuing evolution. In W.B. Gudykunst (Ed.), Theorizing about intercultural communication (pp. 235-256). Thousand Oaks, CA: Sage. Chen, Y. W., & Collier, M. J. (2012). Intercultural identity positioning: Interview discourses from two identity-based nonprofit organizations. Journal of International and Intercultural Communication, 5(1), 43-63.

多元的視点の導入による児童の意識体験 —第3学年「ふるさとのまち」探究的学習の事例より— #1841

Sat, Nov 27, 11:10-11:40 Asia/Tokyo | LOCATION: Room B (Saturday)

 多文化共生の教育は、これまでに様々な取り組みが報告されているが、佐藤(2007)は、その課題を2点指摘する。「多元的な視点の導入による日本や日本人という枠組みの相対化」「関係性を組みかえる視点」である。さらに佐藤(2019)は、実践上の重要な視点として、「多様な見方や考え方の育成」「人と関わる力の育成」など4点を挙げる。これらから多様な視点を育成する重要性が捉えられる。しかし、小学校での実践はあまり見られない。  そこで本研究では、小学校における「ふるさとのまち」をテーマとした探究的学習において、児童の視点を基点とする探究プロセスに、立場の異なる保護者や外国人留学生の視点を導入したときの児童の意識体験に着目し、多様な他者との交流とその視点に対する児童の見方や考え方の様相を明らかにすることを研究の目的とする。  分析対象事例は、石川県の公立A小学校第3学年(1クラス31名)の総合的な学習の時間である。実践期間は2021年5〜7月。児童は、まず町探検を通して「ふるさとのまち」を調べる活動を行い、次に自分の保護者と地域在住の外国人留学生6名(中国1名、ベトナム1名、インドネシア2名、ポーランド2名)に聞き取り調査を実施した。分析データは、以下3点である。1)児童が授業終末に記述する学習ふりかえり記録、2)外国人留学生への聞き取り調査を録音して作成した発話記録、3)授業のフィールドノーツ。これらのデータは、現象学的アプローチを用いて児童の意識体験を中心に分析し考察する。  研究の結果、児童は、自他の視点を比較して捉えながら、特に共通点や新たな視点に注目していた。「似ている」「インドネシアの人も」「中国の人も」などと国籍を超えて共感したり、外国人留学生の「食べ物への困り感」にはその背景を想像したりするなど、多様な他者に対する児童の見方や考え方の様相が明らかになった。本研究の知見は、小学校における多文化共生教育において、多様な見方や考え方の育成並びに関係性の構築をめざす授業設計への示唆を与えるものと考える。

在日外国人児童のアイデンティティ形成に関わる要素―家族、学校、地域を中心に #1862

Sat, Nov 27, 11:10-11:40 Asia/Tokyo | LOCATION: Room C (Saturday)

日本に移動する外国人児童の増加につれ、日本の公立学校に通う外国人児童の数も増えている。児童は学校生活を通して両親、教員、友人など社会的な関係の中で自己を認識し、社会の一員として成長する。文化間移動した外国人児童も同じ発達過程を経るが、彼らが置かれている社会的環境、すなわち言語、文化、価値観、社会ルールなどは母国と異なる。外国人児童が抱えている教育課題は言語、適応、学力、進路、不就学、アイデンティティであり、アイデンティティは、言語、適応などの課題の土台となるものである(志水, 2008)。アイデンティティとは、自分は何者なのかという自己認識であり、他者のまなざしや関係性を通して作り上げられる。自己は、他者と言語や非言語コミュニケーションを通じて、社会共同体が付与した象徴的意味を共有し、内面化して自分を認識する(ミード, 1995)。 本研究は、外国人散在地域の在日外国人児童のアイデンティティ形成に影響を与える要素として、外国人児童を取り巻く大人たちのまなざしと、大人たちが彼らとどのように接しているのかについて考察することが目的である。特に、外国人散在地域の学校に通う子どもたちは、マジョリティの日本人の中でマイノリティとして生活しているため、彼らと関わっている大人たちの認識と相互作用は外国人児童の自己認識に影響があると考えられる。 データは、外国人散在地域の子ども日本語教室に通う外国人児童と関わっている大人たちを対象としたインタビューである。研究協力者は、保護者、子ども日本語教室のボランティア、学校の教員、役所の多文化共生の担当者の合計10名である。データ分析方法としては、修正版グラウンデッドセオリーアプローチ(M-GTA)を用いた。  調査結果として、研究協力者の認識は「マイノリティ性」、「同化」、「配慮」であった。「マイノリティ性」は、外国人児童が両文化を持つ強みの存在と社会で見えない存在という二重のまなざしの中で生活することを意味する。「同化」は、彼らが日本の文化適応と親の文化継承の二重の環境を受け入れていることである。「配慮」は、外国人児童が日本社会に適応するための支援を意味し、周りの認識の転換から始まると認識している。

学生リーダーのリーダーシップスタイルに関する研究-オンラインでの国際協働学習を通して- #1833

Sat, Nov 27, 11:50-12:20 Asia/Tokyo | LOCATION: Room B (Saturday)

 本研究は、ある大学の学生グループにおいて、代表を務める学生が、リーダーシップについてどのように考え、グループをリードするのか、そのリーダーシップスタイルについて明らかにするものである。  多様化する生き方へと、私たちを取り巻く環境は急速に変化している。これからの社会を担う学生は、このような状況下でも、他者へ能動的に働きかけ、自己の能力を理解し、その力を発揮できるリーダーシップ能力を身につける必要があるだろう。また、経済産業省が提唱する社会人基礎力の中には、自己の能力の発揮に、自己認識とリフレクションを行うことが追加され、自己を省みることの重要性が示されている。  岡田(2020)は、社会教育団体にてキャンプリーダーを行う学生リーダーのリーダーシップ意識と能力に関する研究を行った。その結果、リーダーシップ能力を発揮している学生は、リーダーとしての社会的アイデンティティが強く、その背景にはシェイムの払拭が影響していることが明らかになった。さらに、自分と他者との違いを理解する能力が高いことも示唆され、どのようにリーダーシップを取るかについて、自己内省を繰り返しながら、自らのコミュニケーション行動を調整していく様子が見られた。  しかし、1つの団体グループでの調査結果だけでは一般化することはできず、様々な学生グループでの調査が必要であった。  今回の研究では、ある大学で結成された国際協働学習グループを対象に調査を行った。グループのリーダーを務める学生1名に半構造化インタビューを行い、学生グループのオンラインミーティングの様子も分析に加えた。この国際協働学習は、新規の企画であり、参加者同士の関係構築もゼロからのスタートであった。最初にグループリーダーを決定後、自主的な活動が始まった。発表では、グループのリーダーになった学生が、①リーダーシップについてどのように考えているのか、②どのようなリーダーシップスタイルをとるのか、について自己内省との関係に着目しながら、調査結果について報告する。

引用文献 岡田麻唯 (2020). グループ活動における学生リーダーのリーダーシップ意識と能力に関する研究 青山学院大学修士論文

国際共修の経験と意味づけのプロセス - 日本人学生とインドネシア人学生の事例研究- #1853

Sat, Nov 27, 11:50-12:20 Asia/Tokyo | LOCATION: Room C (Saturday)

近年、高等教育機関の教育実践のひとつとして、国際共修の機会創出と質の向上が議論されている。本研究では、日本とインドネシアの大学生が約1か月のオンラインでの協働作業を経たのち、その経験にどのような意味づけをするかを検証する。研究対象者は22名の日本人学生と28名のインドネシア人学生である。学生らは2021年6~7月にかけて7つの合同グループを作り異文化理解をテーマに学習会をひらき、最終的に成果物のプレゼンテーションを行った。グループが選択した小テーマは職業観・シビックエンゲージメント・ジェンダーなどであり、それぞれ対話を通して二国間の比較を試みた。中間報告書、事後アンケート、省察レポートの実施に加え、プログラム終了後に半構造化面接を行った。学生らがこの経験にどのような意味づけをしているのかを考察しプロセスモデルにまとめる。 着眼点の一点目は、協働中に起こる想定外の出来事と、付随する戸惑いや不安について、どう捉えどう対処したか、もしくは対処しなかったかという、自己の行動の省察からの意味づけである。ある日本人学生は、戸惑い体験ののちに「根気よくコミュニケーション方法を修正」し、この作業を繰り返した。この学生にとってこの経験が異文化コミュニケーションに対する新たな概念形成に繋がっていることが示されている。 二点目は、異文化間で対話を深めていく過程が、多様性の中にさらに存在するサブグループ内のスペクトラムへの気づきを促しており、それが「世の中の情報の解釈をいったん保留にするスキル」の習得に繋がっている点である。ある日本人学生は、事前に一夫多妻制とムスリムの考え方について調べ、準備をして勉強会に参加した。しかし実際に意見を交わすと、グループメンバーのムスリム学生の考え方は予想と逆であった。このように、直接の対話が解釈の捉えなおしを促しており、学生にとってこの共修が、異文化理解に留まらず、当事者の声を聞くことの重要性を再認識する経験であったことが示唆されている。 最後にこれらの分析を踏まえ、異文化間能力を深めるための国際共修プログラムの要素と効果的なデザインについても提言を行いたい。

外国ルーツの児童生徒の学校での多文化共生成功例の研究の必要性ー外国ルーツの児童生徒の学校での多文化共生についての文献調査ー #1864

Sat, Nov 27, 14:00-14:30 Asia/Tokyo | LOCATION: Room B (Saturday)

 日本に在住する外国ルーツを持つ子どもの数は年々増加している。2020年12月の法務省の統計によると、6歳から17歳の在日外国人の数は17万人以上である。さらに、国際結婚の家庭の子どもの数を加えると、さらに多くなる。外国ルーツの子どもを対象とした学校における多文化共生に関する研究はすでに多く実施されているが、彼らの学校における多文化共生についての問題点・課題や具体的支援・解決策を提起するものが多く見受けられる(Gills-Furutaka, 2009; 竹田, 2012; 劉, 2017)。さらに、多くの研究対象は日本語指導を中心とする教育支援やクラスにおける適応支援などが必要な学校における多文化共生に課題がある外国ルーツの児童生徒であると想定される。このことは、外国にルーツを持つ児童生徒の学校での多文化共生の成功事例に関する研究はまだ多くないことを示唆している。しかし実際の研究動向については明らかではない。  そのため本研究は、現存する外国ルーツの子どもを対象とした日本の学校での多文化共生に関する研究動向の概観を文献調査により明らかにし、多文化共生の成功事例研究の位置づけと意義について論ずることを主な目的とする。具体的には、まず外国ルーツの子どもを対象とした学校での多文化共生をテーマとした先行研究を日本語と英語でキーワード検索し関連文献を収集する。次に収集した文献を内容分析により精査し研究内容を分類しその研究動向を探索する。以上の研究動向を基にして本研究では、日本の学校に通う外国ルーツの生徒の学校での多文化共生成功事例研究の今後の必要性や意義について論じる。最後に一つの意義としては、学校での多文化共生に成功している例は他の外国にルーツを持つ児童生徒の模範例ともなり彼らの学校での多文化共生促進の実践的ヒントとして機能するため重要となることを結論として述べる。   参考文献 Amanda Gills-Furutaka (2009) 「Racially Based Bullying in Japanese Schools」『京都産業大学  教職研究紀要』 第4巻、17-40. 劉 麗鳳(2017)「外国にルーツを持つ子どものいじめ経験と教師の指導方法への示唆」  『教育學雑誌』 第54 巻、103-114. 竹田 治美(2012)「外国人児童・生徒の内部葛藤とアイデンティティの模索」『奈良  産業大学紀要』 第28巻、79-89.

コロナ禍における大学生の異文化コンピテンスの客観的評価に関する考察 #1840

Sat, Nov 27, 14:40-15:10 Asia/Tokyo | LOCATION: Room B (Saturday)

 近年、日本の大学では、グローバル化の進展に伴い、国際共修やCOILなど国内キャンパスで展開できる新たな教育国際化の形が模索されてきたが、その教育効果に関する客観的評価の欠如が指摘されている。今後エビデンスに基づく国際化を推進するためには、教育国際化の効果を示すことの重要性が叫ばれている。そこで本研究は、学びの主体である学生の変容に着目し、コロナ禍における大学生の異文化コンピテンスと、それに影響を与える外的要因(教育的介入や海外留学経験)と内的要因(学生の性質や価値観)を客観的に把握することを目的とする。 本研究では、2021年3月~5月に、日本のA大学で異文化理解や留学準備の授業を履修した学部生220名に対して、異文化コンピテンスと個人の性質・価値観を客観的に測定できる2種類の客観的評価テスト(定量調査)であるIDI(Intercultural Development Inventory)とBEVI(Beliefs, Events, and Values Inventory)を実施した。さらに、これらのテストの結果に基づいて、インタビュー調査(定性調査)を実施することで学生の異文化コンピテンスに影響を与える要因を探った。これらの調査の結果、調査協力者を1つのグループとして見ると、IDIでは、自己認識(Percerived Orientation)は異文化感受性発達理論(Bennett, 1986)で言うところの受容、実際の発達度(Developmental Orientation)は二極化のステージにあることが分かった。しかし、この結果を属性等で細分化して分析したところ、学生の所属キャンパスや学内外のソーシャル・キャピタル等によって、IDIでは異文化感受性の発達度、また、BEVIでは世界の理解(Global Access)等の異文化コンピテンスに関わる項目の数値に違いがあることが示唆された。インタビュー調査では、この差異に関する原因などを考察し、A大学の学生の異文化コンピテンスの特性について明らかにした。本発表では、上記結果に関する総合的な分析と考察について報告する。

マスク着用率と集団主義の関係性に関する一考察 #1865

Sat, Nov 27, 16:00-16:30 Asia/Tokyo | LOCATION: Room B (Saturday)

 2021年5月25日の『朝日新聞』夕刊に「集団主義的傾向高いとマスク着用率↗日本は・・・」と題する記事が掲載されたが、この記事の根拠を調べてみたところ、米マサチューセッツ工科大学の研究者らが発表したCollectivism predicts mask use during COVID-19であることがわかった。しかしながら、この論文を精査してみると、いくつかの問題点があり、それらを指摘したい。また、日本人大学生のマスク着用の「行動原理」を分析することにより、マスク着用と個人主義・集団主義の関係性を明らかにする。  これまで言われてきた個人主義・集団主義の概念をより正確に把握し、日本人のマスク着用率の高さに対する文化的解釈を提示することにより、将来の危機に対しても役に立つと考える。個人主義・集団主義に関する最新の研究結果についての文献研究をもとに、日本人大学生に対するアンケート調査を実施し、大学生の一般的傾向を分析し、そこから「行動原理」としてのマスク着用についての解釈を提示する。

日本における高度外国人材の文化変容スタイル:アイデンティティと行動レベルに着目して #1835

Sun, Nov 28, 12:30-13:00 Asia/Tokyo | LOCATION: Room B (Sunday)

 近年、日本で就職している高度な知識・技能を有する外国人材(以下は高度外国人材と略す)は増加傾向にある。しかし、多くの企業は、高度外国人材の活用や定着等の対応に苦慮している。その一方で、高度外国人材も日本で働くなか、文化・言語、職務内容、職場における人間関係、企業環境と制度という側面において困難を感じていることが報告されている(小松・黄・加賀美, 2017)。また、多くの日本企業は、高度外国人材に対して日本人社員と同様な役割期待を持ち、日本人と同様な成果を出すことを求めているため、高度外国人材は「日本人化」という同化圧力を受けており、高度外国人材としての特性を十分発揮できていないことが指摘されている(e.g., 鍋島, 2016; 鈴木, 2015; 叶・根橋, 2018; Ye-Yuzawa, in press)。 このような背景を鑑み、本研究の目的は、バイカルチュラル(日本文化と中国文化)な環境に身を置く高度外国人材の文化変容スタイル(Birman, 1994; Barker, 2017)を明らかにすることである。彼・彼女らは日本に暮らし働く中で、どのように自身の文化を変容させているのだろうか。特に本研究ではアイデンティティ・レベルおよび行動レベルを分けて、そのあり方を明らかにしたい。なぜならば、文化変容スタイルは、これら二つのレベルにおいて、異なる様相が現れることがあるためである(Birman, 1994)。  そこで、上記の目的を達成するために、バイカルチュラルな高度外国人材9名を対象とした半構造化インタビュー調査を行った。調査協力者は男性2名、女性7名であり、国籍別に見ると、中国人8名と日本に帰化した元中国籍者1名である。また、彼・彼女らの日本での平均在住年数は9.67年で平均勤務年数は6.33年である。彼・彼女らの文化変容スタイルを分析した結果、アイデンティティ・レベルにおいては、「中国人」という認識は大きく変化していなかったが、行動レベルにおいては、二つの文化の「分離」と「統合」のスタイルを採用する者が多いことが分かった。また、仕事と生活のそれぞれの領域においても、文化変容スタイルが異なることが明らかになった。

日本語母語話者とモンゴル語母語話者の「感謝の表し方」についてのPAC分析 #1863

Sun, Nov 28, 13:10-13:40 Asia/Tokyo | LOCATION: Room B (Sunday)

 「外国人が日本に降り立ったとき真っ先に覚えなければならない基本的語句のひとつ」(三宅1993)として、日本語の感謝表現が最も重視される。しかしながら他方で、ダワジャルガル(2013)では、日本人は農耕民族であり、モンゴル人は遊牧民族であるため、和や協調性を重視する日本語母語話者と、「個の力」を重視するモンゴル語母語話者が互いの国民性を知らず、誤解やすれ違いが起きやすいと指摘されている。ここから、違う民族感を持つモンゴル人と日本人の間では、感謝の表し方にも差異があると容易に推測できる。両話者同士のすれ違いを軽減し、理解を深めるには、これらの差異を明らかにし、異文化理解や異文化コミュニケーション教育に活かすことが重要である。  このような背景から、本研究では、日本語母語話者とモンゴル語母語話者の感謝を表す言語・非言語表現を比較対照し、両話者の暗黙裏の文化スキーマの相違を検討することを目的とした。また、暗黙裏に遂行される「感謝表現行動」を探索する調査方法として、日本の大学で学ぶモンゴル人留学生を調査対象者とし、潜在構造の探索に適した事例研究方法のPAC(Personal Attitude Construction)分析を用い、モンゴル語母語話者の感謝の表し方についての特徴を検討した。日本語母語話者との比較には、同被検者を調査対象者とし、同研究手法を用いてランブクピティヤ(2021)が明らかにした日本語母語話者の感謝の表し方についての特徴を使用した。  調査結果では、日本語母語話者が謝意を示す非言語表現として、角度の程度を変えることによるお辞儀を使用しているのに対して、モンゴル語母語話者は品物を渡したり肩を軽く叩いたり撫でたりするような非言語表現を使用しているという解釈が見られた。また、日本の職場では、立場を重視し定型的な感謝の言語表現を頻繁に繰り返されるのに対して、モンゴルでは年齢を配慮に入れ、言語または非言語表現を選択していることがわかった。さらに、日本語と比べて、モンゴル語では言語も使用するが、非言語で示す感謝表現が重視されていることが示された。これらの調査結果から、特に来日間もない頃のモンゴル人への異文化理解の教育では、両国の感謝表現の差異を扱う必要性が提案された。

日本の若者が感じる韓国文化の魅力と違和感 ―韓国文化の享受経験者に対する事例研究― #1875

Sun, Nov 28, 13:50-14:20 Asia/Tokyo | LOCATION: Room B (Sunday)

 本研究は、韓国文化を楽しんでいる日本の若い世代を対象にインタビュー調査を行い、韓国文化の魅力と違和感についての具体的な情報を収集することを目的としている。異文化(韓国文化)に感じる魅力と違和感の要素を分析・考察することによって、異文化(日韓)の相互理解に有益な知見を見出すことを目指している。  調査は、2020年10月に宮城県の3大学の在学生および卒業生18名(19-24歳)を対象に実施した。インタビュー(Zoom使用)の質問項目は、①韓国文化の享受経験、②韓国語の学習経験、③直接経験(訪韓経験・韓国人との接触経験)、④文化享受・韓国語学習・直接経験の関係、⑤属性で構成されている。  本発表では、主に韓国人のコミュニケーション・スタイルと生活環境についての調査結果を報告する。韓国文化の魅力については、コミュニケーションにおける距離の近さ、デジタル化、出前文化の3つが多く挙げられた。フレンドリーで人間味があふれること、デジタル化が進み暮らしやすいこと、出前文化が発達し楽であることが報告された。これらの結果より、韓国文化の魅力要素として「人情・温かさ」「実用性・利便性」「スピード感」の3つを見出した。韓国文化の違和感については、接客事情、交通事情、トイレ事情の3つが多く挙げられた。無言で仕事ぶりが雑であること、車優先で運転が荒いこと、紙が流せず汚いことが報告された。これらの結果より、韓国文化の違和感要素として「丁寧さ」「安全性」「清潔感」の3つを導き出した。  魅力の3要素は、日本文化に基づく期待度が低いため、韓国文化を通じて期待を上回る経験をすることによって、満足感が大きく、魅力を感じやすいものと考えられる。一方で、違和感の3要素は、日本文化に基づく期待度が高いため、韓国文化を通じて期待を下回る経験をすることによって、失望感が大きく、違和感を覚えやすいものと考えられる。以上のことより、異文化(韓国文化)に対して感じる魅力と違和感は、自文化(日本文化)に基づく期待とのギャップに起因する可能性、つまり期待以上の経験が魅力、期待未満の経験が違和感につながりやすいことが示唆された。

トランスナショナル空間の再編成:コロナ禍における外来の舞踊教室の事例から #1882

Sun, Nov 28, 14:30-15:00 Asia/Tokyo | LOCATION: Room B (Sunday)

新型コロナウイルス感染症の世界的な流行は、人々の物理的な移動のほとんどを遮断した。移動の制限は、従前の「日常」を改めて振り返ることを促す。他方、移動制限が及ぼす心理的・社会的な影響については時間を経過しての検証が必要となるだろう。東京をはじめ大都市には、世界中のパフォーミングアーツが紹介されるが、人々はそれらを鑑賞するだけではなく、お稽古事として日常に組み込んでいる。舞踊(ダンス)教室には、身体化された動きに加え、言語、音楽、衣装、小道具、舞台装置、調度品などが持ち込まれる。その芸能が培われた土地の価値観やライフスタイルも紹介され、実践地(当該事例の場合は東京)に文脈化されていく。人々は、その空間に参加することで、人、情報、メディア、価値観に出会い、新たな物理的・想像的なトランスナショナルネットワークを形成する(Rogers 2015)。 本研究は、コロナ禍の社会的影響を明らかにする一助となることを視野に入れ、外国発祥の舞踊(ダンス)の教室を対象とした事例研究に取り組む。コロナ禍によって生じた、トランスナショナルな空間形成の変容と、それについての思いを講師の語りと実践から探っていく。事例は、アルゼンチンタンゴと韓国伝統舞踊とする。事例は、ラポールを優先し、芸能としての歴史や日本での地名度を加味して選定した。調査の方法は、コロナ禍以前の教室運営とコロナ禍の状況についてのインタビュー、コロナ禍によって改変した実践の参与観察を行った。コロナ禍の活動は、デジタル領域の拡張も顕著であるため、SNS等の活用状況も分析に含めた。分析の結果、海外との往来が遮断されたことによる困難はもとより、日々の教室運営にも大きな改変が認められた。国内の同業者との情報交換を行いつつも、講師自身の持ち味や強み、信念などを見直し、受講生が置かれている状況に応じたニーズを考慮するなどして、他教室との差別化につながる工夫や創造的な実践も認められた。また、国際移動が制約される中、その教室がその国を擬似的にだが体験できる空間と意識され、演出されている面も見出された。発表では、遠近感の語りも談話分析で詳細に見ていく。

サンフランシスコベイエリアの新一世の変容 -長期滞在者への聞き取り調査の比較からの考察- #1870

Sun, Nov 28, 15:10-15:40 Asia/Tokyo | LOCATION: Room B (Sunday)

1.はじめに サンフランシスコは、アメリカの中で最も古い日系コミュニティが形成された場所であり、日系人だけでなく、多くの長期滞在の日本人も生活している。サンフランシスコ近郊で、新一世の特徴がどのように変化しているのかを明らかにすることを目的に、2007年に実施した60代以上の女性4人の長期滞在者の調査と2016年に実施した長期滞在の30代後半から50代前半の日本人女性4人を対象としたライフヒストリー方法による聞き取り調査の比較を行った。 2.研究方法 海外で長期滞在する日本人の特徴を調査するために、対象者の考え方を引き出せる会話を重視する研究方法であるライフヒストリー法が一番適切と判断した。本研究では、(1) 日本で少なくとも高等学校までの教育を受けている、(2) アメリカに15年以上在住しているという2つの条件を満たす長期滞在の日本人女性に聞き取り調査を実施した。分析・検証は先行研究、筆者の先行研究の聞き取り調査と比較し、新一世の特徴の変容を考察した。 3.考察 2007年と2016年の調査の比較から、4つの共通点が明らかになった。一つ目は、日本にいた頃から自我が確立しており、積極的な性格であったことである。二つ目は、子どもに対する日本語と日本文化教育の課題である。日本人としてのアイデンティティを持ってほしい願いが強いことがわかった。三つ目は、海外生活の基盤として友人関係の構築と自身のネットワーク、コミュニティの形成が重要であることである。四つ目は、英語力の課題である。 変化してきている顕著なことは、日系社会と関わりである。このことは、渡米時の環境や状況の違いも影響している。2007年の対象者が渡米した頃は、対象者の語りからも明らかなように、日系社会とつながりを持つことは、情報収集のためにも重要であった。2016年の対象者の渡米時期は、インターネットの普及により日本とのつながりを持続することができたため、日系社会との関わりは重要ではなかった。国際結婚などによる他民族との関わりの増加も変容している点であった。日系社会が求心力を失いつつあることも影響し、日系社会から地域コミュニティへと生活の基盤の広がりが明らかになった。

日本型異文化感受性発達尺度の開発 #1844

Sun, Nov 28, 15:50-16:20 Asia/Tokyo | LOCATION: Room B (Sunday)

 本発表は、ミルトン・ベネットによる異文化感受性発達モデル(DMIS)の発達過程が日本ではどのような認知構造で経験されているかに関する過去の研究(山本, 2014; 2015)に基づき、日本型異文化感受性発達尺度の開発を目的として行われた研究を報告するものである。山本(2014)による質問紙調査では、構造的にはDMISの発達と同様でありながらも、違いを知覚して解釈するときの表現の仕方、および、注意を向けて焦点化するフォーカスの当て方等における異文化感受性の具体化には日本的なパターンのあることが明らかにされている。また、「異文化の違い」として認識する対象が「外国人」、「他の地域・地方の人たち」、「他の専門性・所属の人たち」であるかに関わらず、異文化感受性にはほぼ共通した構造のあることも明らかにされている(山本, 2015)。これらの結果、および、質問紙に採用する新たな項目を検討するための質的調査を経て、本研究では外国人に対する異文化感受性について62項目から成る質問紙を用いたインターネット調査(n=900, 20代~60代)を行った。異文化感受性とは二つ以上のカテゴリーに境界化する空間での相互作用において差異性をどのように知覚し解釈するかに関わっているため、外国人と日本人に境界化する異文化を念頭に置くものではない。しかしながら質問紙調査を行うにあたっては「文化的違い」と一般化した質問で尋ねるよりもコンテクストを明確にすることを優先させることにした。  最尤法による探索的因子分析を行ったところ、F1「移行期」、F2「エスノリラティヴ」、F3「自文化中心」の3因子構造が最も適当であると考えられた。これら3つはそれぞれが一次元尺度を成すと考えることのできる一方で、理論的にも、過去の研究で得た構成概念からも、各尺度には下位概念を想定することができた。二次分析を行った結果、F1に「受容 .84」「最小化 .80」、F2に「適応 .86」「異対面 .78」、F3に「防衛 .81」「否認 .72」の下位概念を確認した(数値は内的整合性を示すα係数)。本研究は科研費JP16K04626の助成を受けている。