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オンライン・プレゼンテーション(実践報告 30分)

異文化シミュレーションのオンライン化のプロセスと実施について

Sat, Nov 27, 16:00-16:30 Asia/Tokyo Room C (Saturday)

かつて、異文化コミュニケーション学会の協力をもとに異文化シミュレーション「エコトノス」の日本語短縮版が作成された。対面で4時間程度で実施できるため、過去20年に渡って大学や企業でも実施されてきた。 昨年、これをオンライン化するにあたって、Zoomの専門家と異文化コミュニケーションの専門家で協同してカリキュラムデザインを行った。このプロセスと実施の過程を明示する。オンライン化のプロセスでは学習目的を共有したうえで、それぞれの専門家の観点から対面で行われる学習活動で必要となる行動とオンライン操作を関連づけたうえで、代替可能なオンラインサービスの選定が必要になる。また、複数のファシリテーターとITサポーターとの連携によって実施可能なレベルになった。 さらに、オンラインでの「エコトノス」に参加した異文化コミュニケーションの専門家によるフォーカスグループインタビュー調査をしたところ、オンライン化には懐疑的であったが、実際体験してみると対面でのプログラム並みの効果があることが確認された。また、非言語コミュニケーションの制約から言語コミュニケーションの比重がたかまることなどが言及された。さらに、シミュレーションを遂行するための効果的なオンライン機能や操作テクニック、その導入方法の重要性が指摘された。また、Zoomというプラットフォームが内包する文化と日本の企業文化についての異なりが浮上した。 こうした様々な声を取り入れて、オンラインでの「エコトノス」は一般企業の研修にも提供できるプログラムになった。企業研修での事前事後アンケートでは、オンラインであっても異文化シミュレーションの体験が参加者の異文化感受性を高められる可能性が示唆された。 このプロセスが可能になったのは、異文化コミュニケーションの教育担当者やICTの技術者のみならず、異文化コミュニケーション学会の会員、企業の研修担当者など異なる専門家、異なる業種の人々の協力によるところが大きい。