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オンライン・ポスターセッション(非会員であっても、本学会の会員の推薦があった場合には 発表できます)

グローバル化に伴う日本食文化の維持と変容

Sun, Nov 28, 12:30-14:20 Asia/Tokyo Room E (Sunday)

本研究では、東京都内の日本食(定食)店経営者たちが、グローバル化によって、日本食文化をどのように変容させ、また維持していくのかを探究する。 江原(2014)によると、食文化とは民族や集団、地域、時代において共有され、習慣化したものが伝承されるものであり、食物摂取の役割だけでなく食に伴う一定の作法も含まれる。中でも日本独自の食文化とは、自然の尊重、栄養バランスの取れた食事構成、多様な発酵食品の使用、そして季節や年中行事との結びつきの4つの性質を持つとされている(平松,2019)。 上記の日本食特有の文化への注目度は、ユネスコ無形文化遺産登録をきっかけに高まったとされる(江原,2015)。また「訪日外国人消費動向調査」(観光庁,2019)によると、「訪日外国人が訪日前に期待していたこと(複数回答)」のなかで、「日本食を食べること」(69.2%)が第一位である。よって日本食が世界から注目され、外国人の訪日の動機や目的となっていたことが分かる。 しかし、コロナウィルス感染症(COVID-19)拡大の影響により、訪日外国人旅行者数は前年比−86.6%(国土交通省,2021)となり、インバウンドに軸足をおいた日本食の提供自体が転換期を迎えていることは確かである。よって、日本食を提供している飲食店経営者たちが、グローバル化とその流れに拮抗するCOVID-19の影響を受けて、なお日本食および日本食文化をどのように維持し、変容させているのか明らかにし、今後の日本食の存在意義を探求する。 そこで東京都内の日本食(定食)店経営者合計7名に、それぞれ約60分の半構造化面接をオンライン及び対面にて実施した。その結果をKJ法(川喜田,2017)とKH Coder(樋口,2020)を用いて分析したところ、店舗間での共通点、そして差異が見られた。その結果を踏まえて、日本食および日本食文化の維持および変容について考察する。