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オンライン・プレゼンテーション(実践報告 30分)

異文化コミュニケーション教科書を編む・書く・使う~教科書はどのようにして作られるのか

Sat, Nov 27, 13:20-13:50 Asia/Tokyo Room B (Saturday)

異文化コミュニケーション研究・教育・研修に従事する方法には様々なものが考えられる。そのひとつに、異文化コミュニケーションに関してこれまで得られた知見を総合的にまとめ、効果的に提示する、異文化コミュニケーション教育(研修)のための「教科書の作成」がある。本報告では、異文化コミュニケーション関係の書籍出版に携わったことがある報告者が、その経験をまとめ、今後、出版を計画している方々への指針を提示したい。 教育全般のみならず、異文化コミュニケーション教育においても教科書の果たす役割は大きいのだが、残念なことに教科書に関する研究はあまり盛んではない。横溝(2011)は、高校教科書の内容を分析し、コミュニケーション研究との接点の同定を行っている。SIETAR紀要『異文化コミュニケーション』の過去の論文タイトルを検索してみると、異文化コミュニケーション関連の教科書に関する研究・実践報告はなく、教科書に関する情報は書評を通してのみとなっている。 自らの研究に専念し、研究論文を発表し、その後、発表した論文を専門書としてまとめて発表するというパターンが見受けられる一方で、教科書を目的とした書籍の場合、複数の著者が共同執筆したものが多く見受けられる。学会が主導し書籍を発表するケースは前者の場合であり、どうしても教科書出版が体系的に行われる機会は限られてしまう。さらに、研究発表と出版とは近い関係にありながら、個々の研究者にとって出版社は遠い存在であり、どのようにアプローチしたらよいのかもわからず課題となっている。 これらの状況を踏まえ、本実践報告では、教科書の出版作業を企画・執筆・編集・出版・営業・使用・改訂などのプロセスに分けて考えていく。編集者・執筆者の立場から、これまでに報告者が経験した教科書出版に関して、各プロセスにおいてどのような作業が発生するのか、何に気をつけなければいけないのか、などについて報告を行い、異文化コミュニケーション研究者のために、教科書作成に取り組みやすい環境作りに寄与することを狙いとする。

参考文献 横溝彰彦(2011)「高校と大学におけるコミュニケーション(学)教育の連続性 ―『高等学校 改訂版 現代社会』第一学習社、2006」Kyushu Communication Studies, Vol.9, 2011, pp. 54-56.