Sessions / Location Name: Room C (Saturday)

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The Wrong Tree? Challenging the Centrality of "Culture" in Our Field #1856

Sat, Nov 27, 08:30-09:00 Asia/Tokyo | LOCATION: Room C (Saturday)

Based on a suggestion by Verdooren (2021), this research project seeks to challenge the centrality of culture in our efforts to bring together people of different backgrounds in peaceful and productive ways. The research project first explores the origins of Intercultural Communication (as a field of study) in the work of Hall (1959) and the Foreign Service Institute in the late 1940s to uncover the reasons behind the focus on culture that has become so central to our field. Next, it examines the limitations the concept of culture brings to our endeavours. These include: the lack of definitional clarity; the propensity to overlook differences between people that are not seem as cultural; the stereotyping that is innate in any analysis of group tendencies; the danger of abstracting personal encounters to a societal/national level; and the use of culture as an explanatory variable when observing human behaviour rather than as an invitation to explore further. Finally, the presenter will draw on research in human cognition (Hohwy, 2013) and neuroscience (Clark, 2013) to propose that we broaden the focus of our field from “culture” to difference,” specifically to the ways in which human brains and human societies deal with difference, whether that difference fits a definition of culture or not. He will suggest that, by focusing on difference, we can overcome many of the limitations of our culture-centered model in reaching our goal of improving relations between people from different backgrounds.

Developing a program for international online interactions connecting high school students for during and post-COVID #1829

Sat, Nov 27, 09:10-09:40 Asia/Tokyo | LOCATION: Room C (Saturday)

For almost a decade at Sagano High School, a public school in Kyoto, we have developed a course called Global Interaction (GI), which has a robust curriculum based off of the international connections we maintain. First, every year for 5 days, all 320 first year students travel to Singapore and attend 4 different schools. Also more than 150 international students travel to our school for interaction events from Singapore, Indonesia, the United States, and other countries every year. However, when 2020 began, it became apparent that our curriculum would have to change unless we came up with a way to continue our connections with our international partners. International connections and experiences are critically important during the high school years. After much work, over the course of the past year we have developed an online interaction program utilizing Google Classroom, Google Meet, pre-recorded videos, and many different scheduled events. We have developed two types of programs. First, a synchronous program. Students meet in live online interaction events where they spend 30-50 minutes doing show and tell, presentations, and other conversation-based activities over Google Meet. Over time they develop deeper connections with the students as they meet online over and over. The second program is an asynchronous one, involving the students recording videos for each other and then posting them within a closed Google Classroom. This presentation will go over the design and planning of this program, examples of the interactions, and how the international connections were made. We will go over the data collected from the students, on their impressions before and after the interactions in class and their perception on international interaction and friendships afterwards. Finally we will review how the program was reviewed, evaluated, and then changed for the 2021-22 school year, and how it has worked since.

在日中国人高学歴女性の文化的アイデンディティ: 「自己表示」と「他者帰属」に着目して #1859

Sat, Nov 27, 10:30-11:00 Asia/Tokyo | LOCATION: Room C (Saturday)

 ここ数年、中国人の日本留学ブームと卒業後日本で就職する傾向が強い状況を背景として、日本でホワイトカラーや専門技術職に就く高い学歴を持っている中国人女性はかなりの数に達している。増え続ける中国人に関する研究は多く見られるが、在日中国人高学歴女性のアイデンティティを巡る研究は少ない。  Collier (1998; 2005) は文化的アイデンディティの形成の2つの側面を提示し、他者に見せた自己を「自己表示」 (avowal)、自分の他者に対する認識と他者の自分に対する認識を「他者帰属」 (ascription) と定義している。自己と他者の歴史、社会的地位、文化集団などが異なるため、「自己表示」と「他者帰属」は常に矛盾しており、複数の社会的カテゴリーを持っている人々の文化的アイデンティティの多様性に対する認識の欠如は、当事者の自分に対するハイブリッド性への理解や職場における女性の活躍の可能性に影響をもたらす(Chen & Collier, 2012)。  本研究では、上述したCollierの文化的アイデンティティ理論を用いて、在日中国人高学歴女性の文化的アイデンティティについて考察を行う。彼女たちの「自己表示」と「他者帰属」を明らかにし、それぞれの形成要因も検討する。大卒以上の学歴を持つ日本で働いている中国人女性4名を研究協力者とし、それぞれ2、3回半構造化インタビュー調査(60〜90分)を行い、そこから得られた語りを分析した。  インタビューの語りから、彼女らは「中国人」、「女性」、「〇〇(職業)者」、「キャリアウーマン」、「若者」など様々な自己を見せるが、職場において人員配置や昇進、お客様対応の場合、周りの日本人に「外国人女性」と見なされることが多いと感じていた。「自己表示」は多様であるが、「他者帰属」は限定的であり、「自己表示」が「他者帰属」と一致していないことが分かった。さらに、コンテキストによって同じ「自己表示」に対する当事者の意味づけが変わること、在日中国人高学歴女性の個人としての能力の発揮は限定的に認識された「他者帰属」の影響を受けていることも明らかになった。

参考文献 Collier, M.J. (1998). Researching cultural identity: Reconciling interpretive and post-colonial perspectives. In D.V. Tanno & A. Gonzales (Series Eds.), International and Intercultural Communication Annual: Vol. 21. Communication and identity across cultures (pp. 122-147). Thousand Oaks, CA: Sage. Collier, M.J. (2005). Theorizing cultural identifications: Critical updates and continuing evolution. In W.B. Gudykunst (Ed.), Theorizing about intercultural communication (pp. 235-256). Thousand Oaks, CA: Sage. Chen, Y. W., & Collier, M. J. (2012). Intercultural identity positioning: Interview discourses from two identity-based nonprofit organizations. Journal of International and Intercultural Communication, 5(1), 43-63.

在日外国人児童のアイデンティティ形成に関わる要素―家族、学校、地域を中心に #1862

Sat, Nov 27, 11:10-11:40 Asia/Tokyo | LOCATION: Room C (Saturday)

日本に移動する外国人児童の増加につれ、日本の公立学校に通う外国人児童の数も増えている。児童は学校生活を通して両親、教員、友人など社会的な関係の中で自己を認識し、社会の一員として成長する。文化間移動した外国人児童も同じ発達過程を経るが、彼らが置かれている社会的環境、すなわち言語、文化、価値観、社会ルールなどは母国と異なる。外国人児童が抱えている教育課題は言語、適応、学力、進路、不就学、アイデンティティであり、アイデンティティは、言語、適応などの課題の土台となるものである(志水, 2008)。アイデンティティとは、自分は何者なのかという自己認識であり、他者のまなざしや関係性を通して作り上げられる。自己は、他者と言語や非言語コミュニケーションを通じて、社会共同体が付与した象徴的意味を共有し、内面化して自分を認識する(ミード, 1995)。 本研究は、外国人散在地域の在日外国人児童のアイデンティティ形成に影響を与える要素として、外国人児童を取り巻く大人たちのまなざしと、大人たちが彼らとどのように接しているのかについて考察することが目的である。特に、外国人散在地域の学校に通う子どもたちは、マジョリティの日本人の中でマイノリティとして生活しているため、彼らと関わっている大人たちの認識と相互作用は外国人児童の自己認識に影響があると考えられる。 データは、外国人散在地域の子ども日本語教室に通う外国人児童と関わっている大人たちを対象としたインタビューである。研究協力者は、保護者、子ども日本語教室のボランティア、学校の教員、役所の多文化共生の担当者の合計10名である。データ分析方法としては、修正版グラウンデッドセオリーアプローチ(M-GTA)を用いた。  調査結果として、研究協力者の認識は「マイノリティ性」、「同化」、「配慮」であった。「マイノリティ性」は、外国人児童が両文化を持つ強みの存在と社会で見えない存在という二重のまなざしの中で生活することを意味する。「同化」は、彼らが日本の文化適応と親の文化継承の二重の環境を受け入れていることである。「配慮」は、外国人児童が日本社会に適応するための支援を意味し、周りの認識の転換から始まると認識している。

国際共修の経験と意味づけのプロセス - 日本人学生とインドネシア人学生の事例研究- #1853

Sat, Nov 27, 11:50-12:20 Asia/Tokyo | LOCATION: Room C (Saturday)

近年、高等教育機関の教育実践のひとつとして、国際共修の機会創出と質の向上が議論されている。本研究では、日本とインドネシアの大学生が約1か月のオンラインでの協働作業を経たのち、その経験にどのような意味づけをするかを検証する。研究対象者は22名の日本人学生と28名のインドネシア人学生である。学生らは2021年6~7月にかけて7つの合同グループを作り異文化理解をテーマに学習会をひらき、最終的に成果物のプレゼンテーションを行った。グループが選択した小テーマは職業観・シビックエンゲージメント・ジェンダーなどであり、それぞれ対話を通して二国間の比較を試みた。中間報告書、事後アンケート、省察レポートの実施に加え、プログラム終了後に半構造化面接を行った。学生らがこの経験にどのような意味づけをしているのかを考察しプロセスモデルにまとめる。 着眼点の一点目は、協働中に起こる想定外の出来事と、付随する戸惑いや不安について、どう捉えどう対処したか、もしくは対処しなかったかという、自己の行動の省察からの意味づけである。ある日本人学生は、戸惑い体験ののちに「根気よくコミュニケーション方法を修正」し、この作業を繰り返した。この学生にとってこの経験が異文化コミュニケーションに対する新たな概念形成に繋がっていることが示されている。 二点目は、異文化間で対話を深めていく過程が、多様性の中にさらに存在するサブグループ内のスペクトラムへの気づきを促しており、それが「世の中の情報の解釈をいったん保留にするスキル」の習得に繋がっている点である。ある日本人学生は、事前に一夫多妻制とムスリムの考え方について調べ、準備をして勉強会に参加した。しかし実際に意見を交わすと、グループメンバーのムスリム学生の考え方は予想と逆であった。このように、直接の対話が解釈の捉えなおしを促しており、学生にとってこの共修が、異文化理解に留まらず、当事者の声を聞くことの重要性を再認識する経験であったことが示唆されている。 最後にこれらの分析を踏まえ、異文化間能力を深めるための国際共修プログラムの要素と効果的なデザインについても提言を行いたい。

理系と文系の比較から見えるグローバル人材の資質の違い #1849

Sat, Nov 27, 13:20-13:50 Asia/Tokyo | LOCATION: Room C (Saturday)

大学の国際競争力と国際通用性を高めるためのスーパーグローバル大学創成支援事業(SGUs)が2023年で終わろうとしている。東洋大学でもグローバル人材を育成するために様々な取り組みを展開してきた。その成果は、海外留学・インターンシップ、海外アクティビティ、国際関連プログラムなどへの参加、英語能力、外国語による授業科目の履修から数値で示され、異文化理解といった可視化することが難しい学生のコンピテンシーは、海外留学・研修に参加する学生に限りIntercultural Development Inventory (IDI)で測ってきた。しかし、学生全体のグローバル人材の資質の程度を把握することはできずにいた。そのため国際教育センターは、2020年の秋学期に全学部・全学年に提供している授業、「留学のすすめ」を履修した学生を対象にBelief, Event, and Value Inventory (BEVI)を試験的に実施した。本授業はオンラインによるライブ授業である。 学生にBEVIを学期の開始時と終了時の2回受けてもらい、その1学期間でどのような変化があったのかを調査した。まとまった時間を異文化環境で過ごす海外留学・研修による成果を測る場合とは異なり、この調査から得られる結果は、学生が秋学期間で経験したコロナ禍における生活環境、経済状況、教育環境など全てを反映したコンピテンシーの変化である。 BEVIでは7つの領域の中に含まれる17の尺度から潜在意識の深いコンピテンシーを測り、学生の心理的特性を客観的に明らかにするのだが、本授業を履修した学生のグローバル人材の資質を理系と文系に分けて比較すると、これまで肌感覚で感じていた理系と文系の学生の違いが明瞭に示された。さらに男女別、BEVIが分けたコンピテンシーの低中高のクラスターで比較すると、理系と文系の学生の心理的特性と成長の違いが明らかになった。また、コロナ禍で授業のスタイルが対面から非対面になり、海外留学・研修への参加が困難になった今日の現状において、学生の心理的特性を測ることができたのは有意義であり、また、理系と文系の学生の強みと弱みを客観的指標で捉えることは、今後、各学部の特性を活かしたグローバル人材育成推進教育プログラムの設計が可能となる。

オンライン国際協働型授業(ZOOM)における外国語を通しての日米学生の異文化コミュニケーション能力 #1887

Sat, Nov 27, 14:00-14:30 Asia/Tokyo | LOCATION: Room C (Saturday)

発表では2020年秋学期に日本のA 大学とアメリカのV 大学で行ったonline zoomでの2回の交流受業の日米異文化理解を受業目的にしたプロジェクトの実践報告である。本プロジェクトの目的は日本語を学習する米国の大学生(中国人留学生10、ベトナム人1、韓国人1、アメリカ人7)とInternet Englishを履修する日本の大学生(17名)が、それぞれ外国語を使用して、日米文化を理解し、異文化コミュニケーション能力の向上を意図とした授業での学びである。バイラム(Byram, 1987,1997; Byram et.al.,2001)は異文化教育の目標を「異文化で発信できる人、異文化間で話が出来る人」の教育であるとし、それは「異文化コミュニケーション能力の獲得」であると述べている。Byramは「異文化能力」と「異文化コミュニケーション能力」を区別している。「異文化能力」は母語で多文化の人々とやりとりする能力、異文化コミュニケーション能力は外国語で他文化の人とやりとりする能力だと定義している。本発表では研究課題として1)学生はonline (zoom)でスピーチすることで何を学んだか。2)外国語でプレゼンテーションすることでどのような気づきがあったか。3)プレゼンテーション及びそれに向けての日米の学生との話し合いのプロセスで日米文化の相違点はどのようなことかを学んだか。とした。学生のプレゼンテーションのテーマは自分の生まれた州、サンクスギビング、アメリカの食生活、アメリカの学生生活、ハロイン、上海の食事など多岐に渡った。一方日本の大学生は、世界的に影響を及ぼしているコロナ禍を軸にコロナ禍と日本の教育、コロナ渦と日本社会などのテーマで問題解決型学習をし、英語プレゼンテーションと行い、英語で意見交換を行なった。 このパンデミックの中のリモート授業で、日米の学生がお互いにzoomでのコミュニケーションを外国語で行った授業の学生の体験報告の分析、インストラクターの観察を中心に授業の実践報告を行う。

リーダーシップ教育における学生の自己理解についての一考察 #1857

Sat, Nov 27, 14:40-15:10 Asia/Tokyo | LOCATION: Room C (Saturday)

背景―技術革新や社会の大きな変化のなかで、より多様性が求められている現代、リーダーシップ教育は従来の「1人のカリスマ的リーダーの出現を待つだけでは不十分」な時代(中原、2018)から、「一人ひとりがリーダーシップを発揮して問題に立ち向かうこと」が必要だといわれる。また、リーダーシップの発揮において、自己理解は非常に重要である。ところが2020年に世界を襲ったパンデミックにより、日本の大学生を取り巻く学習環境は大きく変化した。学生の孤独感、孤立感、ストレスの増加、自己肯定感の低下が問題視されている。また、キャリア・アンカー論(2003)によれば、キャリアを知るためにも、自己理解を深めることが必要である。大学のかかわり方が大きく問われている。オンライン化でも対応可能なリーダーシップ教育、キャリア教育における学生の自己理解、自己肯定感を高めるプログラムの研究が必要であると考えた。 目的―この研究では、この自己理解に軸を置き、大学生を対象としたキャリアプログラムの中で、主観性、客観性を軸としたライフストーリーのプログラムに着目した。また、キャリア・マトリックスという、比較的新しいライフストーリーの手法を導入し、ナラティブ分析により学生の自己理解の変容を明らかにしたい。 方法―本研究では、誕生から現在(学生)に至る生活を3年ごとに区分記述し、主観性、客観性、および個々の区分の相互関係を記述する3つのライフストーリーの作成というプログラムを提案し、学生への半構造化分析を行った。 結論― 3つの角度からライフストーリーを見つめなおす過程の中で、学生の多くが「効果が感じられた」、「このような取り組みに関心を持つ」と答えた。本研究のモデル・プログラムは、主観的自分、客観的な自分を受け入れること、そしてキャリア・マトリックスにより自分の将来へつながる自分の資質に気が付くというレベルで、自己理解の深化や自己肯定感の向上がみられた。この定性調査の結果を手掛かりに、今後のリーダーシップ教育の中での自己理解プログラムとして提唱できるように、さらに検証を行っていきたいと考える。

対面授業かオンライン授業か:コミュニケーション関連の授業履修者にとっての効果的な授業とは #1838

Sat, Nov 27, 15:20-15:50 Asia/Tokyo | LOCATION: Room C (Saturday)

 文科省「令和3年度前期の大学等における授業の実施方針に関する調査結果」によると、令和3年3月の時点では全体の97%(1064校中1036校)が前期授業の半分以上を対面授業で実施するとしていた。その後、4月25日からの緊急事態宣言以降は方針を変えた大学もあると考えられるが、基本的には文部科学省及び大学側は対面授業を重視していると考えられる。  しかし学生の視点からみるとどのような授業形態が望ましく、それがどのような教育方法と関連しているのかを調べるために、コミュニケーション関連の授業を履修している学生340名に対してアンケート調査を行った。  その結果は、①アクティブラーニングを伴うオンライン授業であれば、通常の対面授業と同様に効果的であると評価する学生が6割を超えていた。グループワークなどの協働作業による学習活動が好評価に繋がっているようだ。②全員がオンラインで参加する授業とハイブリッド授業を比べると、学生はハイブリッド授業よりも全員がオンラインで参加する授業の方が学びやすいと答えている。全員が同じ条件で参加している方がグループワークがしやすかったとのことである。③オンライン授業は一般的には孤独であるとか友達ができないと言われているが、グループ活動のあるアクティブラーニング型の授業であれば、クラスの学生数に関係なく半数以上の学生がオンライン授業でも実際に会ったり連絡を取り合って話せる友人ができたと答えている。その他の学生も知り合い以上の人間関係が形成できたと回答している。④オンライン授業での技術的操作に関わる問題ではWiFi環境の不安定さが一番の問題として挙げられている。⑤学生が学習効果があると報告している授業形態については、オンライン、対面とは関係なく、様々な活動のある授業が支持されている。  以上のような結果から、学生が好ましいと考える学習環境は授業形態がオンラインか対面かということではなく、アクティブラーニングによって様々な学習活動が行われ、学生同士の双方向性のコミュニケーションが活発に行われる授業であることが分かった。  この調査を基にオンライン授業におけるアクティブラーニングの授業活動に関する報告を行う。

異文化シミュレーションのオンライン化のプロセスと実施について #1860

Sat, Nov 27, 16:00-16:30 Asia/Tokyo | LOCATION: Room C (Saturday)

かつて、異文化コミュニケーション学会の協力をもとに異文化シミュレーション「エコトノス」の日本語短縮版が作成された。対面で4時間程度で実施できるため、過去20年に渡って大学や企業でも実施されてきた。 昨年、これをオンライン化するにあたって、Zoomの専門家と異文化コミュニケーションの専門家で協同してカリキュラムデザインを行った。このプロセスと実施の過程を明示する。オンライン化のプロセスでは学習目的を共有したうえで、それぞれの専門家の観点から対面で行われる学習活動で必要となる行動とオンライン操作を関連づけたうえで、代替可能なオンラインサービスの選定が必要になる。また、複数のファシリテーターとITサポーターとの連携によって実施可能なレベルになった。 さらに、オンラインでの「エコトノス」に参加した異文化コミュニケーションの専門家によるフォーカスグループインタビュー調査をしたところ、オンライン化には懐疑的であったが、実際体験してみると対面でのプログラム並みの効果があることが確認された。また、非言語コミュニケーションの制約から言語コミュニケーションの比重がたかまることなどが言及された。さらに、シミュレーションを遂行するための効果的なオンライン機能や操作テクニック、その導入方法の重要性が指摘された。また、Zoomというプラットフォームが内包する文化と日本の企業文化についての異なりが浮上した。 こうした様々な声を取り入れて、オンラインでの「エコトノス」は一般企業の研修にも提供できるプログラムになった。企業研修での事前事後アンケートでは、オンラインであっても異文化シミュレーションの体験が参加者の異文化感受性を高められる可能性が示唆された。 このプロセスが可能になったのは、異文化コミュニケーションの教育担当者やICTの技術者のみならず、異文化コミュニケーション学会の会員、企業の研修担当者など異なる専門家、異なる業種の人々の協力によるところが大きい。